不思議な不思議な航空機パイロットの業務範囲のお話

今日はパイロットの業務範囲のお話しようと思います。ちょっと面白いですよ。

航空法における航空機の定義

出発点はここからです。

航空法では第二条で航空機を以下のように定義しています。

「航空機」とは、人が乗って航空の用に供することが出来る飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船、その他政令で定める機器を言う。

ちなみに「人が乗って」とは、着座姿勢で飛行出来るものを指すらしいです。手元の資料によると空航第314号に書かれているとありますが、該当箇所は見つかりませんでした

定義からいけば、流行りのドローンは航空機ではないことになります。ラジコンとかもそうですね。

「航空機のパイロット」と言った場合、飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船のどれかを操縦することが出来ることになりますね。

上記のそれぞれの航空機の種類別に自家用・事業用・定期運送用の操縦士技能証明が存在します。以下では簡単に自家用パイロット、事業用パイロット、定期運送用パイロットとします。

航空機のパイロットの業務範囲

ここからが本題です。業務範囲とは資格別の出来ることの違いですね。

それぞれの資格を持つパイロットを飛行機のパイロットに置き換えて、色々なことを割愛して簡単に考えると以下のようになります。

  • 自家用操縦士=趣味で自分のために飛行機を飛ばすパイロット
  • 事業用操縦士=一人で操縦することが出来る飛行機の機長として誰かのために飛行機を飛ばすパイロット
  • 定期運送用操縦士=一人で操縦出来ないデカイ旅客機(エアライン)の機長として飛行機を飛ばすパイロット

今回の記事では、このような簡便化した説明では先に進めないので次は航空法の定義を見てみましょう。

それぞれのパイロットの業務範囲は航空法二十八条と別表に次のように定義されています。

自家用パイロットの業務範囲

  • 航空機に乗り組んで、報酬を受けないで、無償の運行を行う航空機の操縦を行うこと

要は、趣味で自分のために飛行機を飛ばすパイロットです。上で書いたことと変わりませんね。

事業用パイロットの業務範囲

  • 自家用操縦士の資格を有するものが行うことが出来る行為
  • 報酬をうけて、無償の運行を行う航空機の操縦を行うこと
  • 航空機使用事業の用に供する航空機の操縦を行うこと
  • 機長以外の操縦者として、航空運送事業の用に供する航空機の操縦を行うこと
  • 機長として、航空運送事業の用に供する航空機であって、構造上、一人の操縦者で操縦することができるものの操縦を行うこと

上で書いたことに補足すると、事業パイロットであれば、自衛隊や警察・消防などの業務が出来る他、エアライン等の副操縦士としても業務を行えることになります。

定期運送用パイロットの業務範囲

  • 事業用操縦士の資格を有するものが行うことが出来る行為
  • 機長として、航空運送事業の用に供する航空機であって、構造上、その操縦のために二人を要するものの操縦を行うこと
  • 機長として、航空運送事業の用に供する航空機であって、特定の方法又は方式により飛行する場合に限り、その操縦のために二人を要するものの操縦を行うこと

少し雑ですが、これがあれば航空法条の業務範囲という意味では制約はありません。

分かったような分からないような、そんな感じですね笑!!!

報酬、無償、有償とは?

報酬とは、操縦者が得るお金=所属する組織(会社)から操縦者に与えられる給料。

無償の運行とは、フライトに対して依頼者にお金を請求しないもの。

有償の運行とは、フライトに対して依頼者にお金を請求するもの。

つまり、航空法の業務範囲の定義に則って言えば、フライトに対して依頼者にお金を請求出来るのは事業者(法人又は相当する組織)のみとなります。

先程の業務範囲の箇所を何度読んでも僕の理解ではこうなるんです。

航空法ではフリーランスのパイロットの存在は想定されていない!!!

ここから先は完全に僕の解釈です。

何か一個足りなくないですか?

自家用パイロット、事業用パイロット、定期運送用パイロットの業務範囲の何処にも「報酬を受けて、有償の運行を行う航空機の操縦を行うこと」が無いんですよ。

先程もあった通り、僕の解釈では、フライトに対して依頼者にお金を請求出来るのは事業者のみということになりました。

つまり。

航空法では、フリーランスのパイロットが想定されていないことになります。

より正確に言うならば、フライト自体の見返りとして報酬を受取ることが出来るフリーランスのパイロットが想定されていないということになります。

フライトに対する報酬という名目でない形で報酬を貰えば、フリーランスパイロットは存在し得ることになります。

ややこしい!!!

ちなみに、アメリカの航空法にあたるFARを読み解くと、フリーランスのパイロットの存在が想定されていることが読み解くことが出来ます。フライトの内容に応じてどのパートの法律が適用されるかが決まっていて、このフライトはPART91オペレーション、このフライトはPART125オペレーションと言った具合です。

うーむ、面白い。

まとめ

今回は法律の話でした。法律の話の細かいところは必ず「解釈」の議論になってきます。あくまで僕はこのように解釈したというだけですので、他に何か解釈があれば教えて頂ければ幸いです。

自分で書いていてもややこしくなったので初見で読む方がややこしくなること必死です笑。

Have a good flight!